恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
机に突っ伏し、私は茉央が起きないことを願いながら、かーくんの帰りを待っていた。
多分…
そろそろ帰って来る。
飲み会なんて、あまりお酒の飲めないかーくんにとっては楽しくないだろうし…
いつもは仕事が終わればすぐ帰れるのに、飲み会に付き合わされてかーくんはきっと不機嫌だろう。
せめて…
待っててあげよう。
そう思ったんだ。
ていうか、私が安心して寝れないだけなんだけど…
―ガチャッ
そんな時、玄関から音が聞こえ、私は顔を上げた。
時間は夜10時を少し過ぎていた。
立ち上がり、玄関まで歩いて行く。
「おかえり、かーくん。」
「希………」
私を見るなり、かーくんは安心したような顔を見せ、そっと私を抱き寄せた。
酔ってはなさそう…
お酒の匂いはしないし。
ただかーくんの服から少しタバコの匂いがするだけ。