BELLADONNA -沈静の劇薬-
モフッ。
部屋を留守にしている間にメイド達が新しいシーツに替えてくれたのか、太陽の香りにベッドのスプリングが沈んだ。
アルファはシーツと同じ香りがする枕に顔を埋めて、今朝のやり取りを思い出していた。
『はあ…。最悪。皇太子なんていたこと自体、初めて知った…。
しかも、しかも…。』
この国のトップに対しての言葉使いではなかった自分の態度。
まさか、皇太子自ら見ず知らずの人間を部屋に通すと思わなかった。