Running Homerun


──キーンコーンカーンコーン……

「もう昼休み終わりっ!?」

チャイムが鳴ると同時に驚く大樹。

「やべぇっ、まだ飯、食い終わってないっ!!!」

そういうと慌ててお弁当を食べ始めた。

「大樹、そんなに慌てて食べたら……」

「っ!ぐふっ!!」

"のどにつまるよ"と言う前にのどに詰まらせている。

「…はぁ。
だから言ったのに(言ってないけど)」

私は少し呆れながら
大樹にお茶を渡す。

大樹は"ありがとう"というように手を上げ
お茶を受け取ると、一気に飲み干した。

「ぷはぁーっ!
生き返ったぁーっ!」

おっさんみたいなことを叫ぶなって。

「そんな慌てて食べたら
のどに詰まるにきまってるでしょ」

呆れ半分にそういうと
大樹は落ち込んだように「あい」と返事をした。

その姿が可愛い。

私の顔から知らないうちに笑みがこぼれていた。


< 30 / 64 >

この作品をシェア

pagetop