Running Homerun



「……え?」


お父さんの言ったことの意味がわからなくて…
いや、信じられなくて
私は聞き返した。



「どういう…こと……?」


「そのままの意味だ。
箏音に転校してもらう」



お父さんは辛そうに
「ごめんな、箏音…」
と、つぶやく。


「え…どうして?
なんで……転校しなきゃ…いけないの…?」


転校したら、大樹に会えなくなる。
話せなくなる。
大樹の笑顔が見れなくなる。


そんなの…イヤだ…。


「他の職場に移動することになったんだ。
そこの職場は今の職場よりずっと遠くて
引っ越さなきゃいけないんだ」


単身赴任で…一人で行けばいいいじゃん。

そう思っちゃうなんて、なんて親不孝な娘だろう。


「どこに…引っ越すの…?」



「大阪」



その答えに私は絶望した。


まだ隣県とかなら電車で通うと言うつもりだった。



でも、大阪は遠すぎる。

大阪からココまでは電車で早くても半日はかかるだろう。



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