Running Homerun


「私の誕生日会と箏音のお別れ会
一緒にやろうよ。
クラスの子とかたくさん呼んでさ」

「えっ、でもそしたらせっかくの誕生日会が……」

「いーのいーの。
お別れは泣き顔より笑顔のほうがいいでしょ?」

みゅーは笑って断ろうとした私を制した。

「それにそのときに言えばいいじゃない。
大樹に引っ越しのこと」

…そっか。
いつかは言わなくちゃいけないんだよね。

わかっていたけど他人から言われると、辛い。

「いつかは……言わなくちゃいけないんだよね…」

「当たり前だよ。
本来ならもう大樹に言わなくちゃいけないんだよ。
隠し事なんてしちゃいけないと思う」

みゅーの言葉ひとつひとつが心に刺さる。
< 55 / 64 >

この作品をシェア

pagetop