Running Homerun


「でも、言いたくない…。
もう、大樹と会えなくなる気がして…」

私は唇を噛み、俯いた。
そうしないと涙が零れそうだった。

「なに甘えたこと言ってるの?」

みゅーのいつもと違う厳しい声に私はハッと顔をあげる。

「会えなくなるって言っても、二度と会えないわけじゃないでしょ?
電話もメールも出来る。
それだけで満足じゃない。」

みゅーの顔はいつもは見せないような淋しげな笑顔だった。

なんでそんな淋しそうなの?

みゅーのその表情のわけがわからない。

そこで私はみゅーの恋愛事情について何もしらないことに気付いた。
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