秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


お経のように、呪文のように

ずっと心で唱える。



あたしだって



あたしだって…




……でも

先輩があたしに優しい瞳を向けてくれたのは


優しく笑ってくれたのは



地味で暗くて、独りぼっちのあたしがかわいそうだったから?


会長 として

先輩 として



あたしに話しかけていたのなら


友達 にすらなれていなかったのなら………





「とにかく、あなたに会長の下屋敷先輩の仲を引き裂くほどの力はない。

早く諦めなさいよ。

あなたは………
会長を振り向かせることも、下屋敷先輩から奪うことも

何も出来ないんだから。」




もう…声が出ない。


目の前が、暗い。



悔しいから?悲しいから?

なぜか涙が出た。




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