秘密事は図書室で~甘い会長の罠~
見上げると、先輩があたしから視線を外して
クスクスと笑っていたのだった。
は、恥ずかしすぎっ…
「クスっ…ごめんごめん。
ちょっと、可愛くて。
やっぱり足を挫いたんだね?
一人じゃ歩けないみたいだし…中川さんをそのままにはしておけないよ。」
そう言って、あたしの前にしゃがみこむ先輩。
いつも、遠くに見えていた
広くて大きな背中。
……まさか…
「あれ、乗らないの?
おんぶの方がいいかなと思ったんだけど…
前の方がよかった?」
「えっ……ぁ…違います!!
先輩をお借りして送ってもらうなんて…出来ません!!!」
あたしは座ったまま、一歩下がった。
捻ったのは右足だけみたい。
先輩からの返事がなく、俯いていると……
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