【短編】愛するキミへ
「別れよっか」
俺は、思ってもいないことを口にしていた。
「なんで?秋夜は、私のこと嫌いになったの?」
椎夏は言った。
「嫌いになってない。でも、別れた方がいいって思った。別れた方がお互いのためだって思った」
俺は言った。
本当は、別れたくないくせに
口が勝手に動いて
止めることができなかった
椎夏は、何も言わず教室から飛び出していった。
終わった。
これで、すべて終わった。
俺は、誰もいない教室で泣いた。
自分から、別れを告げたくせに
自分から、椎夏の手を離したくせに
こんなにも、好きなのに
愛してるのに・・・・