【短編】愛するキミへ
第一章 不安
まずは、俺と彼女の出会いからお話します。



高校に入学し、初めて彼女と話したのは、図書室だった。その日俺は、帰る途中先生に図書室に本を運んでほしいと頼まれ、図書室にきた。
ドアを開けると、そこに彼女はいた。俺は、持ってきた本を机に置いた。そして、彼女と目が合った。
「重たかったんじゃない?」
彼女が話しかけてくれた。
「そんなことないよ。以外と軽かった」
彼女と話すのは、初めてなはずなのに、普通に話せていた。
「クラス一緒だよね?私のこと分かる?」
同じクラスというのは、なんとなく分かっていた。でも、名前が覚え出せない。俺が黙っていると、彼女は笑った。その笑顔にドキッとした。
「私、白井椎夏(シライシイカ)。よろしくね」
「俺は」
「知ってるよ。坂田秋夜(サカタアキヤ)君でしょ」


これが、俺と椎夏の出会いだった。




< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop