冷徹な傷
-舞台は整った-




授業なんてめんどくさい。
授業なんて出なくても私は平気。





どこでサボろうかしら?

屋上のドアをピッキングしてそこで昼寝でもしようかしら。


それに愛の飛び降りた場所だから…




「あら…あなたは…」


そこに一人、明るい茶色の髪をした男がいた。

たしか…皆川優一。
男子バレー部のリベロの…




「?君は?
…もしかして今日きた転校生?」




「ええ。
ところで、こんなとこで何をしているの?」




「…この間、ここで飛び降りた仔がいたんだ。
俺はその仔がイジメられてることを知ってたのに助けなかったんだ。」




多分、愛のことね。
でも、大切なことがぬけてるわ。




「いじめられるようなことをしたからいじめられるんじゃないの?」





「その子は何もやってないんだ…」









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