好き!嫌い!好き?
そう言われて渡されたのは大量のプリントのうちの4割程度。

まだあんまり納得できないあたし。

でも、これ以上抵抗したりなんてできないからあたしは素直に受け入れたことにした。

あたしがプリントを受け取ると、歩きはじめた先輩。

あたしも後ろに続く。

少し後ろを歩いていたけど、あたしは自然と先輩の隣に来ていた。

でも、あたしはそれに気付かなかった。

無言で静かな空間は、まるで2人だけの世界のようだった。



そういえば…先輩って何部なんだろう…。

ふと、気になった。


…背高いし…バスケ部かな?

それとも…体がガッシリしてるし…陸上部かも…。

そんなことを考えながら階段を登っていた時だった。

「っきゃ」

突然ぐらつく体。

歪む視界。

…やばい…落ちるかも…。

そう思って反射的に目をつぶる。


バサバサバサッ



……。
………。

…あれ?痛くない。

何で??

「大丈夫?」

うっすらと目を開ける。

すると目の前には先輩の顔。

先輩に支えられてるあたしの体。

「はっ…はい///」

その切れ長の目で見つめられると顔が赤くなってしまった。

目の前でだから尚更だ。


体制…立て直したいな…。どうしよう…。

そう思っていると、

「とりあえずてすりにつかまって」

先輩に言われた。

「は…い」

あたしが先輩に言われたとうりてすりを掴むと、先輩の体が離れた。

『よかった』と思う反面、『ちょっと寂しい』と思う自分がいる。

って…何考えてるんだか。



…あれ?先輩がいない??

キョロキョロと先輩を探すと、先輩は再び散らばったプリントを集めていた。

「ごめんなさい!今手伝います!」

そう言って手伝おうとした。

のに…

「やんなくていいよ」

先輩が言った。
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