【COLORS②】スイカに恋したい
「ざっとこんなもんか」

制服に付いた泥を振り払う。

「すげぇな……」
海も彼女の闘いぷりにはさすがに驚いているようだ。

「今の、誰にも見られてないわよね?」

辺りをキョロキョロと見渡す。私たち以外には誰もいない……、



「あ、ありがとうこざいます!」



そうだ、この子が居たんだった。
血の気がさっ〜と引いていくのを感じた。

「お願いだから、このことは忘れてっ!」

「?」

私はその少女の前で両手を合わせて拝んだ。



──パチパチ



拍手?
背後から聞こえる。

他にも誰か居たのか?!



ま、マズイ……



と思ったときには時すでに遅し。

恐る恐る振り向いてその視線の先に居たのは──



「見事なパフォーマンスね、もうあなたしかいないわ」



「……」

誰だろう。上級生?

「それに私たちの仕組んだ芝居にのってくれるなんて──ね。フフフ」



し、しばいぃ〜〜っ!!!!!!!!!!!

私はどうやらこの謎の少女の罠にかかってしまったようである。
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