君と手を繋いで




…………………………は?






もしかして…いや、もしかしなくても…


「お前、俺のこと知らねーの?」


そうびっくりしながら聞くと、



「え、うん。知らない。」

そいつもびっくりしながら頷く。


「そんな奴、初めて聞いた…」



自分で言うのも何だが、俺の顔は知らない奴はいないと言われるぐらいに、全学年に知れ渡っていて、実際、会ったこともない女に話しかけられては、お菓子やラブレターなどを渡されて、こっちとしては迷惑極まりない。



それなのに、こいつは知らないと言う。



ふっ…と自然に笑みが零れる。
こいつ、予想以上に面白い。
こんな奴、尚更手放してはいけないな。


そう決心を固めると、

「つばさ。」


と言った。


こいつに俺の名前を覚えて欲しくて、
もっと興味を持って欲しくて。


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