SMOKE&CANDY《短》
その横顔はまるで暑さなんて感じていないように、冷めていて。
機嫌が悪いのかな、と思ったけれど私の思考回路は熱にやられてもう限界。
「……來貴、私の家来る?」
私はとにかく涼しい場所に行きたかった。
來貴の機嫌が悪い理由はわからないけれど、話を聞いてやればすぐに直るだろう。
だけどこのくそ暑い中、話なんて聞いてられないし。
それならば私の家に行くことが最善策だ。
だいたいこのくそ暑い中、公園にいることがおかしいんだから。
……その理由は私がここでしか煙草を吸わないからなんだけど。
とにかく。
今は一刻も早く、体を冷やしたい。
私の脳はもうそれ以外、考えることが出来なくなっていた。