短編小説 ありがとうの手紙



数十分経って母が診察室から出てきた。






「優芽、身体の中にビー玉が入ってるからそれをとるために入院しなくちゃなんだって!お母さん、荷物持ってくるから病室で待っててくれる?」


そう言って母は笑った。


ビー玉って………お母さん、あたしもう16歳だよ?





ごまかさなくても分かるのに………




そう言いたかったけど、お母さんの腫れぼったい目を見たら言えなかった……






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