???
「やっと辿り着いたぞ。地球に。…さあ存分に暴れろ、そしてワシはこの地球の支配者となる!」
 デットーリーが手に持つ鎖を引き出した。

「何だって?支配者だと、馬鹿な!」

「な…何だ!また誰か出てくるぞ!」
 人々は固唾を飲んで見つめる。

「ヴオー!」
 鎖の先から引き出されたのは、全長三メートル強の巨人だった。

 その骸骨(むくろ)のような体には、グルグルと拘束具と鎖が巻かれている。更に異様なのが、頭に突き刺さるように、取り付けられたヘッドギアだった。

「さあ、行くが良い。“ザイーテン”!」
 デットーリーが手に持つ鎖を放した。

「グアア!」
 ザイーテンが人々に向かって動きだした。

「ぎゃあー!やめでけろー!!」
 将太郎が頭を振りいやいやする。ザイーテンが突っ込んで来た!


「こっち来いや、化け物!」
 貴ボンは将太郎の前に塞ぎ立つ。

 ジャララ!ザイーテンが鎖を振り出した!

「うわっ!」
 圧倒的な威力で、避けきれぬ貴ボン。鎖によって拘束された。

 ザイーテンはそれをブンブン振り回す。

「目が…目が回る!」
 貴ボンの平行感覚が狂いだす。
 
 ガキーン!

 その鎖が、断ち切られた。
< 135 / 218 >

この作品をシェア

pagetop