???
「なんだ?この操縦席?」

 ヨッタが乗り込んだ小型飛空艇の操舵室。そこにあった操縦システムを見て、ヨッタは驚いた。

「ファ〇コン?」
 そこにあった操縦システムは、初代ファ〇コンのコントローラだった。しかも四角ボタン。


「動かせるの?」
 ポゴが不安そうに訊ねる。

「任せとけ!」
 ゲームおたくの意地か、ヨッタが叫んだ。




「…ン!…ガグア!」
 ガガガガ…炎に包まれる船内、トランクの意識が回復した。

「…!?」
 トランクは辺りを見回す。キャミーの姿が飛び込んだ。慌てて近寄った。

「ガダガジ。」
 倒れるキャミーを揺さ振る。

「…き、きゅ…」
 片言の言葉を発すキャミー。どうやら、意識はあるようだった。

「グワラ!」
 キャミーの無事を確認したトランク。炎に包まれる船内を睨む。

 やがてキャミーを肩に担ぐと炎に包まれる、船内へと、消えて行った。




「よし!操作法は、バッチリだ!」
 ヨッタがコントローラを握りボタンを押した。

 飛空艇が浮遊し、加速し始める。




 キューン!

 飛空艇は母艦を離れ、宇宙へと飛び立った。

 やがて、母艦が広大なる宇宙空間で音も無く、炎に包まれ大爆発した。



「よっしやー助かったぞ!これで、俺の街に平和が訪れる!」
 飛空艇を操縦するヨッタ。その顔は、至福と自信に満ち溢れていた。

「…何はともあれ、ヨッタ、君の勝利だよ。」
 ポゴが祝福の声をかけた。




「戻ろう。あの青い星へ。」
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