ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「白雪姫、今日は森に果物を取りに行きましょう」

「そうね、天気もいいことですし、そうしましょう」

「わーい!」



舞台に出て驚いた。



意外にも、この人の多さだ。



でも今は、観客にビビってる場合でもない。



この後魔女が出て来て、白雪姫にリンゴを渡す場面になる。



鮎沢さんは…まだ?!



と、舞台袖に目をやったその時、



「遅くなってごめん!はぁ…はぁ…!」



き、来たっ!



「これっ、りん…っ」

「きゃ…?!」



?!



「うわっ!?」

「鮎沢ちゃん?!」



その後の記憶は、彼女がグラッとしたのを見て思わず駆け寄りそうになった時、オレに真っ赤な球体の何かが襲い掛かってきたこと。



「うわ、ワン?!」

「やだっ、どーしよ?!」

「とりあえず運び出せ!」



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