ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
Page10.5※番外編~夏祭り~
【ikuya※side】



「どーすんだよ、これから」



射的の景品の、ウサギのマスコットを片手で握りしめながら、俺は隣を歩く茜に尋ねた。



「どーするって、麗奈達探すしかないだろ」



こんな言葉遣いだけど、容姿だけは完璧だった。



いつもばらしてあった長い黒髪を上に上げた、その綺麗なうなじに、紺色の浴衣がよく似合う。



本人には絶対言いたくないが、正直俺なんかが隣にいてもいいものだろうかと、隣を歩くのを少し躊躇うほどだ。



「探すってお前、この人だぞ」



なぜ今、夏祭りで、茜と2人きりなのか。



ようは、はぐれたんだ。



麗奈ちゃんと竜くんに。



あのバカップル(稀衣とワンくん)についさっき偶然会い、自分達がはぐれていたことに気付いた。



「じゃー、2人でまわる?」

「え」



――――“ドクン”



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