ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



しばらく納得しないでいた茜だったけど、俺の強引な態度に呆れて諦めたのか、浴衣の袖をまくって金魚をすくいだした。



その横顔があまりに真剣で、なんだか笑えた。



さっきまでやる気なかったくせに、なんて思いながら茜にばれないように、必死に笑いをこらえた。



――――“ドーン”



…あ。



始まってしまった。



「え、今のって!?」

「始まっちゃったよ、花火」



おかげで、金魚すくいの屋台はすいてるけど。



「始まったんなら、早く勝負つけないと!」

「え?」

「だってもしお前が勝ったら、一緒に花火見なきゃなんないだろ!?」

「いや、そうだけど…」

「なにボケッとしてんだよ!早く!」

「あぁ、はいはい(笑)」

「なに笑ってんだよ?」



やっぱりコイツ、変なやつだよな。



< 342 / 606 >

この作品をシェア

pagetop