ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
しばらく納得しないでいた茜だったけど、俺の強引な態度に呆れて諦めたのか、浴衣の袖をまくって金魚をすくいだした。
その横顔があまりに真剣で、なんだか笑えた。
さっきまでやる気なかったくせに、なんて思いながら茜にばれないように、必死に笑いをこらえた。
――――“ドーン”
…あ。
始まってしまった。
「え、今のって!?」
「始まっちゃったよ、花火」
おかげで、金魚すくいの屋台はすいてるけど。
「始まったんなら、早く勝負つけないと!」
「え?」
「だってもしお前が勝ったら、一緒に花火見なきゃなんないだろ!?」
「いや、そうだけど…」
「なにボケッとしてんだよ!早く!」
「あぁ、はいはい(笑)」
「なに笑ってんだよ?」
やっぱりコイツ、変なやつだよな。