ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「あれ、言わなかったっけ?」

「え?」

「竜とはもう、一生分のケンカしてるようなもんだから」

「一生分?」



そう聞き返したあたしに、麗奈は至って冷静に頷いた。



「あたしが竜に、「らしくない」って言われたことは、この前言ったじゃない」

「うん、聞いた」



それは数日前、麗奈の口から直接聞いたことだ。



ずっと高城を想っていた麗奈が、好きな人をコロコロ変えるようになった。



そんな時、高城が言った言葉。



「あたしもつい意地になって、言い返しちゃって」



え?



「あの頃は、あたしが竜に話しかけることもなければ、竜があたしに近づくこともなかったなぁ」



麗奈は思い出話しのように、懐かしそうに話す。



「そしたらそれが数年続いて、今みたいに戻ったのは、高校に入る直前かな」

「え?!」



そんな最近の話しだったの!?



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