ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
【kie※side】



「稀ー衣ーちゃん!」



??



気のせいか、今どこからか声がしたような…?



「稀衣ちゃん、こっちこっち!」



ワン…?



辺りをキョロキョロ見渡すと、あたしを呼んでいた人物は、案外すぐ近くにいた。



「っえ、正くん?!」



時は昼休み。



あたしが歩いていた2階廊下と同じ背丈の木の上に、彼は平然とした顔でいた。



猿?!



「なにしてんの?!危ないから、降りなって!」

「平気、平気!」



見てる方が、平気じゃないわ!



また学校抜け出してきたの?!



…そーいえば。



初めて会った時のワンも、木の上だったっけ。



やっぱり、兄弟だよね。



「見つかったら怒られるし、早いうちに帰りなよ?!」



それだけ言って立ち去ろうとするあたし。



「冷たいなぁ、稀衣ちゃんは」



正くんは軽々とジャンプして、空いていた窓からいとも簡単に廊下に着地してみせた。



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