ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
そう言ったワンの腕の力が弱まったと思ったら、ワンの顔が目の前にあった。
あたしは静かに目を閉じる。
そっと重なる唇。
さっきとはまるで違う。
優しいキス。
ワンの弱さを知った。
ワンのオスの一面を知った。
ワンの傷を知った。
あたしにとっては、全部が大切で初めてで。
戸惑いばかりだけど。
「ねぇ、稀衣ちゃん」
君の身長が伸びるたび、遠くなっている距離が不安だった。
ぐんぐん成長する君と、立ち止まったままのあたし。
「なに?」
近付きたいと願うたび、2人の距離を痛感した?
だけど今君は、あたしを離してはくれない。
そんなことが嬉しくて。
「触ってよって、どこ触っていーの?」
「は?!」
君とのキスまでの距離が、また少し広がったけど。
心はまた1歩近付いた。
「痛っ!なんでビンタ?!」
「ごめん、触られると思うと反射的に…」
「え?!」
そう思ってもいいでしょ?