ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



そう言ったワンの腕の力が弱まったと思ったら、ワンの顔が目の前にあった。



あたしは静かに目を閉じる。



そっと重なる唇。



さっきとはまるで違う。



優しいキス。



ワンの弱さを知った。



ワンのオスの一面を知った。



ワンの傷を知った。



あたしにとっては、全部が大切で初めてで。



戸惑いばかりだけど。



「ねぇ、稀衣ちゃん」



君の身長が伸びるたび、遠くなっている距離が不安だった。



ぐんぐん成長する君と、立ち止まったままのあたし。



「なに?」



近付きたいと願うたび、2人の距離を痛感した?



だけど今君は、あたしを離してはくれない。



そんなことが嬉しくて。



「触ってよって、どこ触っていーの?」

「は?!」



君とのキスまでの距離が、また少し広がったけど。



心はまた1歩近付いた。



「痛っ!なんでビンタ?!」

「ごめん、触られると思うと反射的に…」

「え?!」



そう思ってもいいでしょ?



< 553 / 606 >

この作品をシェア

pagetop