ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
愛実ちゃんの動きが、ピタリと止まった。
「あの、茜…?」
「あのまま見つかってなかったら、どうするつもりだったんだよ?」
茜は一歩、愛実ちゃんに近付いた。
「下手したら2人は、死んでたかもしれないんだよ!?」
茜の言う通りだったかもしれない。
もし、あの穴の中の気温がもっと低かったら。
もし、どっちかが頭でも打っていたら。
もし、朝まで誰にも見つけてもらえてなかったら。
というかもし、ワンが来ていなかったら…?
考えただけで、ゾッとする。
「小さな嘘が、大きな事故にだってなるんだよ!あたしになんの恨みがあって、嘘なんかついたのか知らないけど、あたしの友達を巻き込むのは許さない」
こんな茜は、初めて見た。
きっとここにいる全員が、そうだったんだと思う。
あたし達は、誰も口を開こうとしなかった。
「…なによ」
唇を噛み締めていた愛実ちゃんは、ようやく小さく口を開いた。