僕等は、それを恋と呼んだ。



「でも、本当にごめんね?

もっと、あたしがこんな風に誤解を生まないように皆にもハッキリ言えば良かった…」


「え!や、梨音ちゃんは悪くないよ!!」



梨音ちゃんは、いい子だ。


優しくて、凛としていて
自分をちゃんと持ってる子で、



きっと、だから笈原は梨音ちゃんを好きだったんだと思う。




「…利揮にも、謝っといてくれるかな?」

「え!!えと…」


「じゃあ、またね、詩乃佳ちゃん」


ふわっと天使の様に笑うと梨音ちゃんは去っていった。










…梨音ちゃんはきっと、あたしより利揮の良いとこも悪いとこも、いっぱい知ってて。


二人にはそれが分かるくらい一緒に過ごしてきた歴史がある。



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