【短編】 曇り空
次に目を覚ましたとき
俺の目の前には白いカーテンが写った


そして
遅れて香る薬品



柑橘系の香り


そう

俺は第二保健室のベットで寝ていた


すぐに起き上がろうとしたが
体は鉛のように重くベットに沈んでいた


シャーっとカーテンが開いた

「あ、目覚めました?」

いつもと雰囲気が違う・・・
先生



・・・


そうか

今日は先生・・・髪を下ろしているんだ


長い髪が風にゆれて
さらに香りが俺を襲う


不思議と
体に力が入るようになった



男って
すげぇ・・・
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