【短編】 曇り空
向かい合うようにしておかれた
革張りのソファー
学園長は俺の向かいに座る
そして
美紅は学園長の隣に座っていた
俯いたまま
目を合わせないようにする美紅
俺は
今すぐ抱きしめたい衝動を抑えた
「今日呼び出したのは二人の関係について
ある目撃証言があがったからなんだよ。」
穏やかで
どこか威厳のある太い声
学園長は俺を見据えていた
「北校舎の屋上で二人が抱き合っているところを
数学科の教師が目撃してね。
そこで・・・一之瀬先生にお話を伺ったんだ。
そうしたら久瀬先生は自分から一方的に君に迫ったと告白してね。
そこで
君自身にも一之瀬先生の告白が真実かどうかを確認してもらいたい。」
俺は身動きが取れなった
知られてしまった
俺たちの禁忌
美紅が一方的に?!
違う!
俺が迫ったんだ。
「俺が・・・」
「柏原君は何も悪くないんです。
私が不良性とに絡まれていた時に彼が助けてくれて
私はいけないと思いながらも
彼に興味を持ちました。
そして
耐え切れなくなって
あの日彼を屋上に呼び出したんです。」
美紅は嘘なんて微塵も感じさせない口調と表情で
話し出した
「彼は、もちろん混乱していて・・・
それで私が抱きつきました。
後は目撃されたとおりです。
柏原君は混乱してその後すぐに立ち去って行きました。
そうよね・・・
柏原君・・・。」
美紅の瞳は俺に哀願していた
同意して欲しい
そう言っているように見えた
なんで?どうしてだよ
美紅・・・
俺は
ゆっくりうなずいた
革張りのソファー
学園長は俺の向かいに座る
そして
美紅は学園長の隣に座っていた
俯いたまま
目を合わせないようにする美紅
俺は
今すぐ抱きしめたい衝動を抑えた
「今日呼び出したのは二人の関係について
ある目撃証言があがったからなんだよ。」
穏やかで
どこか威厳のある太い声
学園長は俺を見据えていた
「北校舎の屋上で二人が抱き合っているところを
数学科の教師が目撃してね。
そこで・・・一之瀬先生にお話を伺ったんだ。
そうしたら久瀬先生は自分から一方的に君に迫ったと告白してね。
そこで
君自身にも一之瀬先生の告白が真実かどうかを確認してもらいたい。」
俺は身動きが取れなった
知られてしまった
俺たちの禁忌
美紅が一方的に?!
違う!
俺が迫ったんだ。
「俺が・・・」
「柏原君は何も悪くないんです。
私が不良性とに絡まれていた時に彼が助けてくれて
私はいけないと思いながらも
彼に興味を持ちました。
そして
耐え切れなくなって
あの日彼を屋上に呼び出したんです。」
美紅は嘘なんて微塵も感じさせない口調と表情で
話し出した
「彼は、もちろん混乱していて・・・
それで私が抱きつきました。
後は目撃されたとおりです。
柏原君は混乱してその後すぐに立ち去って行きました。
そうよね・・・
柏原君・・・。」
美紅の瞳は俺に哀願していた
同意して欲しい
そう言っているように見えた
なんで?どうしてだよ
美紅・・・
俺は
ゆっくりうなずいた