【短編】 曇り空
なんで・・・


「責任を取って。だろうな。」

俺の心の声も読み取るように和史は言った


「で?
お前はどうすんだよ?」


和史の問いに俺は赤く染まる手を見つめる


“守るから”

そう
あの礼拝堂で誓った・・・


なのに


何で俺は守られてるんだよ


好きな女一人守ってやる事もできない
俺は・・・



「俺は・・・」




「大切なのは、お前の気持ちなんじゃないの?」


真っ直ぐな和史の瞳
俺のよどんだ灰色の瞳に突き刺さり


俺は



先生を


美紅を


追いかけた
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