ナンセンス!

2

やがて、公園の中、駅舎の中から、バラバラと七・八人の男たちが現れた。
僕とマサ、龍二を、無言で取り囲む。
皆、目をギラギラさせ、チャキッと、バタフライナイフなんぞを、取り出すヤツもいる。
( またまた、物騒な連中が出て来た・・・! )
どうなってるの? 僕、まだ起きてから、二時間も経ってないのに、すんげ~心臓バクバク状態、連チャンなんだけど・・・?
君らも、朝っぱらから、そんな目するの、やめなさい。 ね?
・・・ほら、龍二クンも、メンチ切らないの。 ただでさえ、おっかない顔してんだからさ。
マサくん。 相手を挑発するような、その薄ら笑い、やめなって・・・ ねえ?
しかし、僕の動揺など、全くお構いなしのようである。( 当たり前 )
取り囲んだ男たちは、数人が、制服を着ている。 海南高校だ・・・!
やがて、リーダーらしい茶髪の男が言った。
「 ・・・よ~、マサ。 お前や、龍二に護衛されるほどの女って、誰よ? あ? 」
マサが、ニヤついたまま、答える。
「 待ち伏せしてやがったクセに、知らねえのか? ボケが 」
・・・挑発すんなって、おい。
茶髪の男は、言った。
「 常盤と浜二は、乗らねえよ。 たてつくんなら、お前ら武蔵野だけでやるんだな・・・! 」
龍二が、答える。
「 へっ、弱いヤツラほど、群れたがるモンだぜ。 一人じゃ、何も出来ねえ。 せいぜい、仲良くしてな。 仙道寺の犬どもが・・・! 」
挑発するなってば・・・!
ほら、ほらぁ~・・! そこの兄ちゃん、襲い掛かって来そうな目、してんじゃんよぉ~・・!
茶髪の男が、再び、言う。
「 仙道寺連合の、最終通達を言うぜ・・・! 武蔵野は、潰す! 」
そう言った瞬間、マサのハイキックが、茶髪男の延髄を捕らえた。
見事な、早ワザ。 一発で、茶髪男は、地面にころがった。
一瞬、引く、男たち。
次の瞬間、龍二が、二人を鷲づかみにし、傍らにあった公園の大きな石に叩きつける。
・・・これは、痛そうだ。 コイツは、人間凶器か?

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