ナンセンス!
星野は続けた。
「 まあ、自首したところで、死んだ者は生き返らん。 今日までの事は、今日までだ・・・立派に更生し、努力する方が、死んだ者への最良の謝罪になるんじゃないか、とあたしは思うが・・・? 」
無言なままの神岡。
星野は、小さく息をつくと、腕組をして神岡に聞いた。
「 傘下にした学校の処理は、どうするんだ? 」
「 全て、開放します。 ウチらも、星野会頭の鬼龍会同様、自衛組織として再出発させます 」
「 それがいいだろう・・・ 他区では、この辺り同様、様々なグループが勢力争いを繰り広げている。 いつ、外から侵略されるか、分からん。 内輪モメをしている時ではないからな。 共に、治安維持に励もうじゃないか 」
「 有難うございます、星野会頭・・・! オレら・・・ 一生懸命、精進します・・! 」
正座したまま、星野に一礼する神岡。 他の者たちも、同様に一礼した。
てっきり、仕返しに来たと思ったが、事態は、良い方へ展開しようとしているらしい。 ・・・一安心だ。
神岡は、僕の方に向き直ると言った。
「 かすみ嬢・・! オレら・・ 可憐で勇敢な、かすみ嬢にホレました・・・! 是非、オレらの・・・ 頭になって下さい! お願いしますっ! 」
・・・は?
ナンちゅう展開じゃ、そりゃ・・・! ヤンキーデビューどころの話じゃ、なくなって来たぞ?
当のかすみ( 見た目は、僕 )は、ポカ~ンと、口を開けている。
・・・かすみには、無理だ。
あの、劣悪非道の仙道寺が、ファンタジー・茶目っけ・仲良し同好会に変貌するのは間違いない。 また、それも一興かとは思うが、ハッキリ言って気持ち悪い。 魅惑の世界どころか、驚愕の世界だ。
・・・それ以前に、神岡らの精神が持つまい。
< 128 / 187 >

この作品をシェア

pagetop