ナンセンス!
僕は、下げ降ろされた下着を履き直し、気絶した男を三輪車に乗せると、引きずるように引っ張りながら、先程のファミレスの駐車場へ凱旋した。
「 ・・みっ・・ 美津子さんっ! 」
僕の姿を見つけた祥一が、駆け付ける。
「 大丈夫かいっ?! ケガは・・ どこもケガは、無いかいっ・・・?! 」
「 大丈夫よ。 はい、お母様・・ バック 」
母親は、唖然としながらバックを受け取った。
かすみが、三輪車に乗っている男を見て尋ねる。
「 みちる・・ いや、美津子姉さん。 この人、気絶してるの・・・? 」
「 レイプしようとして来たから、思わず、捨てられていた三輪車、投げちゃった。 警察は、まだ? 」
かすみが、だらりとした男の首筋を、恐る恐る突付きながら答えた。
「 さっき通報したから、もうすぐ来るよ? 」
僕は、男の履いていたズボンからベルトを抜き取ると、それで男の足を三輪車に縛り付け、言った。
「 とんだ食事会に、なっちゃったわね。 かすみは、遅くなるから、タクシーで帰りなさい。 あたしは、警察の事情聴取で、まだここにいなきゃならないと思うから 」
やがて、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえて来た。
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