ナンセンス!
若人たちよ!

1

強盗容疑と、婦女暴行未遂。
おそらく、ヤツは、前科者であろう。 しばらくは、塀の中だ。
警察の事情聴取が済んだあと、僕は、祥一の母親から、自宅に招かれた。

山門のような、大きな門構え・・・
大理石のポーチがあり、どこぞの料亭かと思えるような玄関を入ると、イキナリ、虎の剥製が、コッチを睨んでいた。
( 凄え家だな・・・! 財産目当ての結婚を恐れる気持ちが分かるぜ。 こりゃ、かなりの資産家だぞ )
僕を、リビングに案内した祥一が言った。
「 そのソファーに座ってて。 あ・・ 母さん・・・ 」
二十畳は、あろうかと思われるリビングに、外出着から着替えた母親が入って来た。
「 ・・どうぞ、座って下さいな 」
「 失礼致します 」
向かい側のソファーを勧められ、僕は座った。
「 先程は、有難う。 おかげで、大事なバックが、無くならずに済んだわ 」
母親がそう言うと、祥一が言った。
「 正義感が強いのは、いいケド・・・ ケガしたら、どうするつもりだったんだい? あまり、心配掛けないでくれよ 」
僕は、笑いながら答えた。
「 若いヤンキーだったら、あたしも、追いかけなかったかもしれないわ。 ただ、意外と力があって・・・ 苦戦しちゃった。 心配掛けて、ごめんなさい 」
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