ナンセンス!
健康優良不良児たちの賛歌

1

「 おい、聞いたか? 中区二丁目で、何か、イベントやってるらしいぞ? 」
「 高校生主宰のイベントらしいな。 模擬店なんかも、あるらしい 」
鬼龍会・仙道寺・かすみFCのネットワークで流された緊急情報は、またたく間に広がった。
「 ねえ、ねえっ! かすみ様、ケーキ焼くそうよっ! 」
「 いやあァ~ん! あたし、食べたぁ~い! 」
かすみFCのネットワークも、負けていない。
情報は、予想以上に浸透していっているようだ。

開催は、11時からの予定だったが、予想外に、早くから客が集まって来た。
半信半疑で来た連中も多いようだったが、実際に準備をしている姿を確認し、友人に携帯で連絡をつける姿が、見受けられる。
「 ・・これは一体、何の騒ぎかね? 」
道占許可を取っていなかった為、警察が来たが、鬼龍会 星野の冷静な説明で、パトカー
二台による監視のみで収まった。

「 みちる! 凄い人出ね・・・! 」
制服の上から、エプロンを着たかすみが、出店準備の為にやって来た。
主宰本部のテント下で、仮眠を取っていた僕は、目を擦りながら答えた。
「 おう、かすみか。 ・・昨日の夜から、電気配線やブース割りで、クタクタだよ。 おかげで、フロに入らなくても済んだがな 」
「 開催は、11時から? 」
僕は、腕時計を見ながら言った。
「 そのつもりだけど・・・ 」
おっと・・ この時計は美津子先生ので、女性用だ。 文字盤が、手首側にある。
「 ・・9時30分か・・・ 何か、えらく人が集まってんな。 準備の情況次第では、早めるかもしれん 」
辺りの騒がしい雰囲気と、人の多さを確認しながら立ち上がる、僕。
星野がやって来て、言った。
「 みち・・ いや、美津子先生。 大通りまで、人が溢れてしまったぞ? 古着交換のブースだけでも、開催を早めたらどうだ? 」
出店は、ほとんどが古着や雑貨を扱うブースだ。
僕は、言った。
「 よし、開催を早めよう! 10時から、営業開始許可だ 」
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