ナンセンス!
挑戦状

1

「 海南から、果たし状? 」
「 はい。 トップ3が、今日の午後五時、城北公園にて、タイマン勝負だそうです 」
助手席に座っているマサが答えた。
・・・何と、古風な連中だろう。 今時、タイマン勝負とは・・・ ある意味、硬派だ。
龍二が言った。
「 仙道寺の軍門に下るにゃ、明和女子以外に、手土産が要るんでしょう 」
その手土産ってのが、我らが武蔵野明陵ってワケか・・・
こりゃ、エライ事になって来た。
マサが言う。
「 とりあえず、海南には、了承の旨の返事をしておきました 」
なっ・・ なんですとぉ~っ? 勝手に決めんなァッ! 僕も、出場せにゃならんのだろっ? アンタらは、良いだろうが・・ コッチは困る!
マサは続けた。
「 海南のクズ共が・・・ エラそうに、ウチにタイマン勝負とは、片腹痛いですな。 困ったモンだ 」
ドコが、困ってんだよ。 お前さん、ニタニタしおって、楽しみにしてそうな顔じゃないか!
龍二が補足した。
「 勝ち抜きですので、姉御の手を、煩わせる事は無いかとは思いますが、ま、とりあえず、おいで下さい 」
トーナメント制か・・ しかし、僕が出場しなくても良い確立は、ゼロではない。
マサ君が、急にお腹痛い~、とか言ってトイレに駆け込んだらどうすんの?
いざとなったら僕、奥の手を使うよ? 始まっちゃったの・・・ とか言って、見学するの。 体育座りして。 ・・・ダメ?
サブが、コッチを振り返って言った。
「 姉御・・ いや、会頭の華麗なワザを見たい気もしますがねえ~・・! 」
お前は、ちゃんと前を向いて運転してろ! また、センターライン、踏んでるだろうが。 対向車が、みんな避けて行くぞ?
龍二が言った。
「 向こうのメンツは、頭の阿南、副長の武村・・・ 一番組頭の斉木でしょう 」
マサが、ニヤつきながら言う。
「 阿南か・・・ また、延髄切りを食らいたいようだな。 懲りないヤツだ 」
昨日の朝、一発で、のされたヤツか・・・
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