ナンセンス!
突入せよ!

1

比較的に古い、グレーの壁面のマンション。
どうやら、ワンルームの集合マンションのようだ。 繁華街から少し離れた、住宅街に建っている六階建てである。 通りに面した各部屋のテラスには量の少ない洗濯物が干されており、比較的、一人住まいの居住者が、多いようだ。
「 五階の、左から二つ目・・・ シーツみたいな物が干してある部屋が、そうです。 分かります? 」
マンションから、少し離れた路肩に停車したサブの車の中。 後部座席の横に座っていたマサが、僕に言った。
「 ああ、分かるよ。 他の連中は、どうしてる? 」
マサが、辺りを確認して言った。
「 あっちの民家の影に、2~3人いますね。 常盤の連中です。 ・・・マンションの駐車場に止めてある黒いミニバン・・・ アレも何か、怪しいですね 」
運転席にいるサブが、ガムをクチャクチャさせながら言った。
「 あ、芹沢センパイたちが来ましたよ? 今、止まった、あの白いバンです 」
道路反対側の路肩に、『 わ 』ナンバーの白いバンが止まった。
どうやら、レンタカーを借りて来たようだ。 窓ガラスには、ベニヤ板で目張りがしてあり、運転席には作業着姿の芹沢ちゃんが座っている。 キミも、無免かな? 豪気だね。 どうやって、レンタして来たのかな・・・? その車の荷台には、風紀局 精鋭部隊が声を潜めて乗っているんだね? 乗車人員なんて、全くお構いなしかい? 心強いわぁ~・・・
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