鬼守の巫女

「ここの生徒は全て一族の者だ。制服の襟や裾にラインが入ってるだろ?その色でどの家出身か分かる様になっている。その色でクラス別けされてるんだ。赤なら火伏家やその分家の出身……とかな」

説明を続ける彼に小さく頷いて返しながら彼の後を追って行くと、学校の正面玄関に行き着いた。

しかし正面玄関と言っても、そこに下駄箱らしきモノは無かった。

彼は何の躊躇いも無く薄い灰色の廊下に土足で上がると、早く来いとばかりに小さく手招きをする。

ここには靴を履き替えるというシステムは無いらしい。

土足のまま廊下に上がると、そのまま彼の後を追って行った。
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