鬼守の巫女

「……凪!」

火伏さんは受け取った石を私に手渡して来る。

彼の手から石を受け取った瞬間、辺りに赤い光が広がり、それは静かに石へと吸い込まれていく。

そして全ての光が吸い込まれたその瞬間、灰色の石は燃える様に赤い不思議な石へと姿を変えた。

《……だ……め……》

急に聞こえた声に、キョロキョロと辺りを見回す。

どこからか女の人の声が聞こえた気がした。

しかし辺りには、特に変わった様子は無い。

……気の……せい?
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