夜空に咲く僕たちの願い
翔太は何も悪くないのに「痛い」と叫んで泣いている。
悔しくて悔しくて。
言い訳は言わないから素直に謝ろう。
冷たくなったベンチに座る満里奈。
俺と瑠花は立ったまま満里奈を見る。
見下ろす俺たちと見上げる満里奈。
なんか俺たちが苛めてるみたいじゃないか。
そんなつもりはないけれど端から見たらそう見えるかもしれない。
でも関係ないさ。
俺たちは事実を聞くだけなのだから。
「まさか…二人がいるなんて思ってもなかったよ…何であそこに俊ちゃんと瑠花ちゃんがいたの?」
満里奈はスカートをぎゅっと握り涙を浮かべながらこう聞いてきた。
俺はどこかに言葉を置いてきたみたいだ。
何も頭に浮かんでこない。
それに口が開かない。
糸で縫われたかのように、ぴっちりと閉まっていた。
すると隣にいた瑠花が俺の代わりに答えてくれた。
「あそこに翔太がバイトしてるって聞いたから遊びに行こうとしてたの。お店に入ろうとしたら瑠花と先生がいて…」