夜空に咲く僕たちの願い



知られたくないこと。
それは…
俺があいつを好きだってこと。

バレたら今まで必死に隠してきた意味がなくなる。
全部水の泡だ。
それだけは勘弁。
だって…恥ずかしいし…。


色々なことを考えていたらあっという間に図書館に着いた。
4階にある図書館。
この階にあるのは図書館と音楽室だけ。
滅多に生徒たちはここまで上がってこない。

図書館なんていつもお客ゼロ。みんな本には興味ないらしい。興味あるのは毎週発売される少年マンガのようだ。

あ、でも渓斗だけは違った。
渓斗は図書館をよく利用していた。
たぶん校内の中で一番本を読んでいるんじゃないかってくらい本が好きだった。



ドアに手をかけて、ゆっくりと開ける。
古びたドアは少し力を入れなきゃ開いてくれない。


視線を真っ直ぐ向けると、本を読んでいる渓斗の姿があった。
窓側の光のあたる場所。
渓斗の特等席だ。
この場所が自然光がよくあたるんだってさ。




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