バイバイ。
「遥、31日…デートしよう?」

修二は優しく声をかけてきた。

修二はとても優しい人。
話し方も、仕草も、穏やかな雰囲気がある。
一緒にいるだけで、心が癒されるんだ。

「いいよ。」

周りから見れば、ごく普通のデートの話。
けど、私には分かってしまった。
その言葉に含まれた君の気持ちが。
しかし、その気持ちは『声』という音となって私に伝わってくることはない。
じんわりと染み込んでくる苦々しい気持ちに、少し苦しくなった。
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