バイバイ。
修二は優しいキスをしてくれた。

「…これで最後だね。」

修二の言葉で胸の奥が痛くなった。
唇に微かに残る温かさが、じんわりとしている。

「私、…修二と出会ったのは偶然じゃなくて必然だったと思うの。…そして、こうして別れるのも…。」
「…必然…か。俺が、…遥の事をこれからも忘れられないのも必然なのかな。」

悲しげな目で私を見る修二が、だんだんとゆがんできた。
目から溢れてくる涙が頬をつたう。

「ありがとう。」

ギュッと強く握った手が温かく、離れた瞬間、冷たい空気の中でぼんやりと温かかった。

ありがとう、修二。
私は、あなたが大好きでした。

バイバイ。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

色彩恋愛
ソラコ/著

総文字数/6,276

恋愛(その他)21ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
好き。 ただそれだけ。 忘れられない、君のことが… ずっと、好きだった。 あなたのこと。 愛してる。 だから、俺のものにしたい。 恋は様々な色を持つ。 恋は様々な色に変わる。 恋は様々な色に染まる。 ―恋は色彩―
片恋
ソラコ/著

総文字数/6,624

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
私は、貴方に恋をしました。 出会いは最悪だった。 気分屋だし、自分勝手だし、口悪いし…。 でも 出来の悪い私を、誰よりも心配してくれて、励ましてくれて、優しくしてくれました。 貴方と一緒にいた日々を 今も私は思い出します キラキラと輝いていた日々 こんなにも 恋が切なくて、苦しいモノだと知って泣いた夜もありました。 嫉妬して自己嫌悪になったときもありました。 それでも 恋をして、笑顔が絶えなくて、温かくて幸せな気持ちになりました。 それを教えてくれたのは 誰でもない 貴方だけ 私は 今でも 貴方が大好きです。
素直な君が好き。
ソラコ/著

総文字数/5,498

恋愛(その他)11ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
いつでも素直な君が好きでした。 一つのことしかみえなくて 嘘がつけない君。 一直線な愛情が 心の奥まで染みこんできて 私は幸せでした。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop