白球追いかけて
ドロドロのスパイクを脱ぎ、そのスパイクの底と底を合わせながら、コンッコンッと土を落とす。
かたまりとなって落ちる土、黒砂糖のようにシャリシャリと落ちる土。さまざまだが、そこには毎日、その日のグランドの個性というものを感じ取ることができた。
そして、汗びっしょりのユニフォームを着替え、「カラ、カラ、カラッ」と上下によく振った制汗スプレーを「シュー」と体にふりかける。辺りは白い霧に包まれ、いい香りがする。
話しがつきると部室のベンチから腰を上げ、安川とオレはいつも一緒に帰る。その日も同じだ。
学校の路地から大通りへ出て、信号待ち。
オレたちもそろそろ車に興味を持ちはじめるころ。そこに路上駐車してある車を珍しそうにのぞき込む。改造されたマフラーがついたその車は、ウィンドウが黒いスモークになっている。車内は見えなかったが、自分の姿が映っている。
日焼けした顔がスモークでさらに黒く見える。目をその脇に移すと、安川が映っていた。光の加減か、安川のほうがだいぶ白く見える。
「ジュンヤ、やられてるで」
「えッ?」
かたまりとなって落ちる土、黒砂糖のようにシャリシャリと落ちる土。さまざまだが、そこには毎日、その日のグランドの個性というものを感じ取ることができた。
そして、汗びっしょりのユニフォームを着替え、「カラ、カラ、カラッ」と上下によく振った制汗スプレーを「シュー」と体にふりかける。辺りは白い霧に包まれ、いい香りがする。
話しがつきると部室のベンチから腰を上げ、安川とオレはいつも一緒に帰る。その日も同じだ。
学校の路地から大通りへ出て、信号待ち。
オレたちもそろそろ車に興味を持ちはじめるころ。そこに路上駐車してある車を珍しそうにのぞき込む。改造されたマフラーがついたその車は、ウィンドウが黒いスモークになっている。車内は見えなかったが、自分の姿が映っている。
日焼けした顔がスモークでさらに黒く見える。目をその脇に移すと、安川が映っていた。光の加減か、安川のほうがだいぶ白く見える。
「ジュンヤ、やられてるで」
「えッ?」