誘拐 ―おまえに決めた―
「何?」
つい聞いてしまう。
「別に何でも。ほら」
私の足の裏にリクの手がかかり、おもいっきりくすぐられた。
「あははははは!!」
「え。何が」
知らない顔をして、私の足をくすぐり続けるリク。
「あっ。ちょ、やめてよ!!くすぐったい!」
笑いが止まらない。
「えー。やだ。やめない」
むかつく。こいつ。
昔の女性アイドルさながらのウインクを私に飛ばす。
こっちからすると、むかつく原因を更に投げつけられたようなもの。