誘拐 ―おまえに決めた―
「あんな男のこと俺が忘れさせてやる。マイの身体の全てを俺で上書きしたい」
と言いながら、少し泣いているように見えた。
気持ちが通じていると同じ行為でも全然違う。
虜になってしまいそうだった。
リクの全てに。
何度肌を触れ合っても足りない気がした。
リクの髪も腕も背中も全てが愛しい。
リクをもっともっと近くに感じたい。
リクもまた何度も何度も私を求め、私もまたそれに応えた。
それが嬉しかった。