天国への階段 ―いじめ―
 




複雑な心境だった。
モヤモヤとした気持ちが胸の奥底を渦巻く。
スッキリしない、気分が悪くなるような気持ちだった。

 



まりあの足音が聞こえる。




昨日は、まりあが階段に来る前に帰った。
なんとなく、会ったらまた泣いてしまうような気がしたからだ。




足音がピタッと止まる。




後ろに気配を感じるが、あと一段という事実に、なんとなく気まずくなる。




振り向けなかった。





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