天国への階段 ―いじめ―
「…………これで済む問題じゃないってわかってる。
けど、いちおー…………ごめん」
「ごめん……」
すっかり日が暮れ、教室を後にし校門の前で、泣き腫らした目で麗子と英子が言った。
「……うん」
いいよ、とは言えなかった。
でも、心は晴れやかだった。
麗子は前とは違うから。
麗子のしたことが許せなくても、麗子自身は許せるから――。
「麗子も、あたしも、
もう……独りじゃないね」