19の夏~私の愛した殺人鬼~

 車を走らせること約1時間。


 昌代の遺体が発見された山を通り過ぎ、都会からすっかり姿を変えた田舎道が続く。


 沙耶香は窓を開けてその綺麗な空気を胸いっぱいに吸い込み、

「こんなところがあったんだ」

 と言った。


「東京と聞くと都会なイメージばかりあるが、狭い県内でも探せば田舎があるもんだ」


 火のついていないタバコをくわえたまま冬我が答える。


 車内は禁煙らしい。
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