19の夏~私の愛した殺人鬼~
その態度に不快感を覚えながらも、藤堂はスーツの内ポケットから警察手帳を取り出し、青年に突きつけた。
「警察だ」
青年は近すぎる警察手帳に目を寄り目にしながら、
「で……? なぁに?」
と聞く。
「だから、飯田沙耶香ちゃんを探してるんだよ」
自分よりも背が低く、年齢も下の男にここでナメられたくない。
その思いから、どうでもいい所で巻き舌を使ってしまう。
「飯田沙耶香ねぇ……。可愛くて有名だよねぇ」
ハハハッ! と、何がおかしいのか声を上げて笑う。