19の夏~私の愛した殺人鬼~

けれど……「ねぇ、何読んでるの?」


 この人のことを知りたいと思った。


 誰とも付き合わないからと、勝手に変なレッテルを貼られている沙耶香にとって、その時の栗田は『同じ』だったのだ。


 一言でいえば、変なヤツ。


「マクベス……」


 栗田はポツリとそう返事をした。


 その言葉に沙耶香はフワリと薔薇のような笑顔を見せて「シェイクスピアね」と言った。
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